能登半島地震の復旧支援活動の一環として、倒壊した墓石の復旧工事をさせていただきました

こんにちは。三重県・和歌山県南部にてお墓のお仕事をさせていただいております、湊石材店の湊です。昨年、能登半島地震における墓地復旧支援活動の一環として、七尾市にて倒壊した墓石の復旧工事をさせていただきました。

 

2024年6月 能登復興支援  七尾市西勝寺

今回の墓石復旧工事は、復興支援の一環として複数の石材業界団体が協力して行われた支援活動です。私達にも何かお手伝いができないかと思っていたところにお声がけをいただいたので、私と父、職人さんひとりの3名で参加させていただきました。数回にわたっての支援活動で、私は6月に行われた活動に参加しました。

現地に向かう前には、被災地での工事に入る私達が気を付けなくてはいけないことを確認したり、現地のお寺の和尚様から様子を伺ったりしました。和尚様からは、震災直後は何から手を付けていいか分からず絶望していたところに、倒壊したお墓をボランティアの石屋さんが整理してくれている姿に光明が見えて生きる希望が湧き、本当にありがたかったというお話も伺いました。

 

私達が向かった場所は、七尾市にあるお寺様です。たくさんの墓石がなぎ倒されているのを見て、地震の力がこれほどのものだということにとても驚きました。ブルーシートは、倒壊したお墓のお骨壺に水が入らないように被せられています。

 

今回の工事は、私達の工事のあとに地元の石屋さんが工事をしやすいように、道をふさいでいる墓石を建て直して、機械が入れるように通路を確保することを目的に行いました。小型のカニクレーンで墓石を吊り上げて、工事を進めます。

 

今回は石材店5社での共同の工事で、私達は2日間にわたって工事をさせていただきました。到着した当初はあまりの被害の大きさに、5社で行っても予定の日程で工事を終えるのは難しいかもしれないと感じましたが、皆で協力して工事を行い、スムーズに進んで予定通りに終えることができました。初めてお会いする石材店さんばかりでしたが、現場に着くと詳しい打ち合わせもなくそれぞれの持ち場がパッと決まり、全員が連帯感を持って工事をしていて、普段は1社ごとに工事を行う仕事なので不思議な感覚でした。「皆さんの役に立ちたい」という使命感を持ったプロの石屋さんが集結した力は底知れないなと、とても頼もしく感じました。

予定していた工事が無事に完了すると、お世話になったお寺の和尚様や、お寺にいらっしゃったお施主様らしき方がとても喜んでくださいました。そのお姿に、石屋の仕事をしていてよかったと改めて感じました。石屋冥利に尽きるお手伝いをさせていただけましたこと、ご協力いただいた団体様やお世話になったお寺様、皆様に改めまして感謝申し上げます。