石川県産滝ケ原石を使った記念碑前の整備工事。紀宝町の熊野川河口大橋記念碑

こんにちは。三重県・和歌山県南部にてお墓のお仕事をさせていただいております、湊石材店の湊です。紀宝町にて、 石川県産滝ケ原石を使った記念碑前の整備工事をさせていただきましたので、採掘場や工事の様子をご紹介いたします!

紀宝町  熊野川河口大橋記念碑前  石川県産滝ケ原石の踏み石・植樹石積み

今回ご紹介するのは、紀宝町にある熊野大橋記念碑前の踏み石と、植樹周りの石積み工事です。「熊野川河口大橋記念碑」は、5年前に当社が施工させていただいた記念碑で、和歌山県新宮市と三重県紀宝町を結ぶ「新宮紀宝道路」の一部、熊野川に架かる「熊野川河口大橋」の紀宝町側にあります。(詳しい工事場所はこちらです)

↓↓前回の工事の様子です

南牟婁郡紀宝町にて、熊野川河口大橋の記念碑を建立。頑丈な耐震工事で、子々孫々まで残る、重みを感じる黒御影石の記念碑

こちらがその記念碑です。記念碑を建立したのは新宮紀宝道路の開通前でしたが、令和6年12月に開通し、今は周辺の整備が始まっています。このたび紀宝町の役場の方からご相談をいただいて記念碑の周りの整備を進めることになり、その際に石川県産の「滝ケ原石」を使用することをご提案しました。

 

石川県小松市にある、滝ケ原石の採掘場です。今回は、現地で原石を探すところからお任せいただきました。滝ケ原石は石川県を代表する良質な石材であり、耐久性や美観に優れていることから、庭園や歩道の踏み石、建築資材として幅広く活用されています。

実は先頃、紀宝町と石川県中能登町との間で、災害時相互支援協定が締結されました。そのことを受けて、今回の工事に「滝ケ原石」を活用することで、「両町の絆を深めたい」「復興の一助にしたい」という地域の思いが形になり、採用いただきました。

 

採掘場の入り口です。トンネルのように掘り進めながら採掘されています。

 

石を切り出す機械です。チェーンソーのようなものが付いていて、徐々に切り込みを入れて切り出していきます。「滝ケ原石」は凝灰岩で、栃木県で採掘されている大谷石に近い質感です。

 

壁のように見えますが、切り出す際の跡が水平に残っているのが分かります。貴重なところを見せていただき、とても勉強になりました。

 

切り出された原石をトラックに積み込んで、御浜町の工場へ持ち帰ります。

 

持ち帰った石を、当社の工場で加工しました。大きな丸い踏み石が三つと、円形の花壇です。花壇は仮り組みをして調整しました。

 

加工が終わった踏み石を、現地で据え付けています。土台の基礎を打って、ひとつずつ据え付けていきます。

 

すべて据え終わりました。土や砂利に埋まってしまってはいけないので、十分な厚みを持たせています。

 

花壇を設置します。円形に並べてセメントで固定し、2段目、3段目と重ねていきます。

 

花壇を据えて周りの砂利を整え、工事完了です!

四角い踏み石も検討しましたが、色々な資料を見て研究した結果、丸い形をご提案して採用いただきました。表面はノミ切り仕上げです。平らですが少しゴツゴツした質感も残っており、濡れても滑りにくいので安全です。

 

道路から踏み石を通って、道路から石碑の場所まで行くことができます。石碑の裏側には、橋の建設の経緯を記した文章が彫刻されています。建設に関わった地域の方々の熱い思いが記されていますので、機会があればぜひ読んでいただきたいです^^

 

花壇です。内側はコンクリートで固めました。

 

このあと中に植樹される予定ですが、根が石を押してずれることがないよう、コンクリートで補強しています。

 

当社での工事はひとまず完了しましたが、後日植樹なども行い、景観を整える予定と伺っています。すべての工事が完了したら、またご紹介できればと思っています。

今回は、石川県を代表する滝ケ原石を使った踏み石設置・植樹の石積み工事のようすをご紹介しました。以前、能登半島地震の復旧支援活動の一環としてボランティアで倒壊した墓石の復旧工事をお手伝いしたご縁もあって、遠く離れていても、わずかでも復興の一助になればという思いで、滝ヶ原石を使った景観整備を提案し、心を込めて工事をさせていただきました。ここを訪れた方にも、少しでも何かを感じていただければ嬉しいです。工事のご提案や採掘場の見学等、このたびの工事でお世話になりました方々に、改めまして御礼申し上げます。