愛媛県産大島石のカエルの彫刻を製作しました。京都嵐山にて

こんにちは。三重県・和歌山県南部にてお墓のお仕事をさせていただいております、湊石材店の湊です。今回は、京都・嵐山にある工房のお庭へ設置するカエルの石彫作品を製作させていただきましたので、その様子をご紹介いたします。

カエルの彫刻 設置場所:京都嵐山 愛媛県産大島石

ご依頼くださったのは、私の高校時代の大先輩です。現在は京都・嵐山に工房を構えておられて、「工房の庭に置く石の作品をつくりたい」とご相談くださいました。

 

加工作業の様子です。今回の加工は、私の父が担当させていただきました。先輩からは「全部任せるよ」と温かいお言葉をいただいて、長年培ってきた父の石彫技術を生かし、一から製作を進めることになりました。今回使用したのは、愛媛県産の大島石です。石目が細かく品質の高い石で、繊細な彫刻にも適した石材です。まずは大まかに切り出した石を、おおよその形を決めて加工を始めます。

 

ノミやセットウを使い、大まかな形を削り出しているところです。父は若いころ、愛知県岡崎市にある狛犬専門の石材店で石材加工の修業をしていました。当時の経験と、石屋としての長年の経験の中で培った技術を活かし、丁寧に作業を進めます。

 

全体の輪郭が見え始めた段階です。手前には、カエルの顔が姿を見せてきました。大きな部分を削り終えると、今度は細かな部分へと作業が移ります。

2割ほど加工が進み、おおよその形が出来上がってきました。カエルらしい丸みや表情が少しずつ現れています。ノミなど専用工具を使い分けながら立体感を整えていきます。

 

後ろはこのようになっています。今回は、大きなカエルの背中に子ガエルが2匹乗っているデザインになる予定です。これから背中の子ガエル部分も加工していきます。

 

背中の子ガエルを加工しています。チッパーという道具で、細かい部分を彫刻してきます。

 

チッパーで背中の細部をはつって加工しています。細かな凹凸や曲線を整えながら、自然な表情を作り出していきます。

 

最後の表面仕上げでは、小叩き仕上げを施しています。専用の「両刃」という道具で、表面に細かな凹凸を付けることで落ち着いた質感になります。光の当たり方によって表情が変わり、自然石らしい温かみも感じられる仕上がりになります。

 

すべての加工を終え、カエルの彫刻が完成しました。目玉には黒色も入れています。あとは土台部分を加工して台座を取り付け、現地での設置作業です。

 

完成した作品はこのように、熊野で採れた自然石の台座に、土台部分を加工して据え付けました。人工的な台座ではなく自然石を組み合わせることで、お庭の景観にも自然に溶け込むようにと考えました。

 

京都 嵐山の工房のお庭へ、設置が完了しました!

 

穏やかな表情のカエルが、工房へ訪れる方を優しく迎えてくれるような作品です。設置場所の雰囲気を事前に確認していたため、周囲との違和感もなく自然に仕上げることができました。自然石との組み合わせによって、お庭全体にも温かみも感じられます。

 

背中の子ガエルたちの愛らしい姿です。どの方向から眺めても楽しめるのもこの作品の魅力です。工房を訪れる方の心が和らぐような、ほっとする作品になりました。

 

完成した作品をご覧いただいたご家族様にも、大変喜んでいただくことができました。重さのある石像を坂道を登って運んで設置したので、「大変でしたね」とねぎらいのお言葉もいただきました。このたびは、作品づくりを私どもにお任せいただきまして、誠にありがとうございました。貴重な機会をいただきましたこと、改めまして感謝申し上げます。私どもでお役に立てることがございましたら、またいつでもご連絡くださいませ。

今回の石彫作品は、高校の大先輩とのご縁から生まれた特別なご依頼でした。長年培ってきた石彫技術を生かし、一つひとつ手加工で丁寧に製作し、喜んでいただくことができました。地元で長く石材店を営んできた当社は、地域のつながりやご縁でご相談をいただくことも多くあります。今回の先輩も、もともと熊野のご出身で、熊野のことが大好きな方でしたので、台座に使った自然石には熊野の石を選びました。工房を訪れる方を温かくお出迎えして、皆様にかわいがっていただければ嬉しい限りです。