思いのこもった、南アフリカ産クリスタルブラウン石のお墓。熊野市にて

こんにちは! 三重県・和歌山県南部にてお墓のお仕事をさせていただいております、湊石材店の湊です。熊野市の区管理墓地にて、南アフリカ産クリスタルブラウン石の思いのこもったお墓を建立させていただきました。

 

三重県熊野市 区管理墓地 新規建立 南アフリカ産クリスタルブラウン石

 

お墓の新規建立のご相談をいただきました。お客様のおじさまと私の父が知人だったことから、お声かけくださいました。亡くなったご家族様のご遺骨を納めるお墓を建てたいということで、まずはご来店いただき、お話を伺います。

お墓については、洋墓がいいとご希望でした。当店で施工したお墓の図面を見ていただいたりしてご説明しましたが、洋墓は図面だけでは大きさや雰囲気が分かりにくいので、近くの墓地までご一緒に行って実際に当店で施工したお墓の形や大きさ、石の種類なども見ていただきました。そうしたお墓を参考に、ご希望を採り入れて図面を作成してご提案、お墓の形等は決定しました。

 

お墓の形が決まり、彫刻内容のお打ち合わせをした際のお写真です。文字の大きさやデザインなど、実際のお墓のサイズに合わせて調整・確認をします。右下にはコーヒーカップをデザインしました。若くして亡くなられたご家族様がコーヒーがお好きだったそうで、コーヒーをイメージできるものを彫刻できないかとご希望があり、お客様とお話ししてこのデザインを採り入れました。

 

決定したデザインをもとに、彫刻内容をゴムシートに写して墓石の彫刻する部分に貼り付け、彫刻する部分のシートを切り取ったところです。この状態で一度お客様にも確認していただきました。石に彫刻をする際は、このシートを切り取った部分の石を削っていくことになります。

 

完成したお墓です!

南アフリカ産クリスタルブラウン石という柔らかい色合いの石を使用しています。同じ石で数年前に建立したお墓を実際にご覧いただいたところ、変色もなく艶も落ちていなかったので、自信を持ってご案内することができ、お客様にも気に入っていただけました。柔らかな色合いが、コーヒーカップのデザインともとても相性が良いですよね^^

 

お客様にご依頼いただいたコーヒーカップです。一般的にお墓に彫るモチーフではないので、カップをそのまま彫刻しても少し奇抜になって浮いた印象になってしまうかもしれないと思い、こんなさりげないデザインをご提案しました。 結果的に、石の色合いも手伝ってとてもおしゃれな仕上がりになりました。

 

花立の手前に蝋燭立をこのように設置しています。一見すると花立と蝋燭立が一体になったようなデザインです。お客様がご自分で探されてお持ちくださったものを参考に、お墓のイメージに合うようにアレンジを加えて設計しました。

 

こちらの供物台も同様に、お客様のお持ちになったデザインを元にしました。大きなアールを採り入れた柔らかいデザインです。

 

手前の拝石も同じような丸みのあるデザインです。全体的にアールを多く採り入れ、統一感あるデザインにしています。

 

台座部分は亀腹加工の高級仕上げです。亀のお腹のような、丸みのある形状です。伝統的な和型のお墓によく見られるものですが、洋墓でも違和感なく柔らかいイメージになります。

 

背面は納骨される方のお名前を彫刻しました。スッキリとした中にも、亀腹加工で高級感のある印象に仕上がっています。

 

ご納骨のお手伝いもさせていただきました。お若くして亡くなられたご家族様もお墓ができてご遺骨を納め、お参りができるようになったことで、安心しましたとお母様も涙されていました。お打ち合わせの段階から、コーヒーカップの彫刻のほかにも、「仏石の高さをもう少し高くしてほしい」、「お花を供えた時にお墓正面にかぶらないようにしてほしい」など、細かい点も色々なご希望をいただき、若くして亡くなられたご家族様のためにできる限りのことをしてあげたいというお気持ちをひしひしと感じていました。今回の墓地は、波の音も聞こえる海から近い場所にあります。日本の渚100選にも選ばれている美しい渚です。とても気持ちの良い場所で、ご家族を思って作られた思いのこもったお墓とともに、眠っておられるご家族様にも喜んでいただけているのではないでしょうか。

お客様のお気持ちに応えたい、できる限り思いを汲んで形にできたらと、精一杯お手伝いさせていただきました。お気持ちに寄り添ったご対応ができておりましたら幸いです。このたびは当店にお墓の建立をお任せいただきまして、ありがとうございました。何かございましたら、またいつでもお声かけください。