水の流入を防ぐお墓のリフォーム工事。紀宝町区管理墓地にて

こんにちは! 三重県・和歌山県南部にてお墓のお仕事をさせていただいております、湊石材店の湊です。紀宝町の区管理墓地にて、水の流入にお困りのお墓のリフォーム工事をさせていただきましたので、ご紹介いたします。

 

紀宝町 区管理墓地 リフォーム

 

地区のお寺様の和尚様からのご紹介で、お墓のリフォームをご希望のお客様からご相談をいただきました。さっそくお墓を確認しに向かいます。

こちらがご相談のお墓です。こちらの墓地は傾斜地なので、雨が降ると後ろの斜面から水が流れ込みやすくなっています。お墓が周りの土よりも少し浮き上がったような状態になっているのは、雨で周りの土が流れ出てしまったためでした。お客様はお困りの様子で、新しく巻き石を設置することをご希望でした。

 

今回現地でお話を伺う際には、写真のようにお墓の周りに定規と呼んでいる木の板を置いて行いました。「ここに巻き石を設置しますよ」と口頭でご説明しても、今回は傾斜地なので特に分かりにくいですよね。お客様には、巻き石がどういう形で、どういう広さになるかが想像しにくいため、分かりやすいように定規を置いてご説明します。寸法がはっきりしているので私達も図面を起こしやすいですし、お客様と事前に完成のイメージを共有することができます。

 

また、印のようにお墓の後方や側面は石積みで囲まれていました。この辺りから水が流れ込んでいるため、雨が降ってもできる限り水が流れ込まないような構造にする必要があります最近の雨は本当に危険なぐらい降ることもありますので、こうした工事では水が逃げる道を作ることが大切です。ご説明をしてお見積りを作成、早速工事に取り掛かります。

 

お墓はお経を上げていただいてご遺骨を取り出してから、一旦すべて取り外しました。その後、お墓の周りの石積みの間をモルタルで固めて補強しました。こちらは側面です。

 

こちらでは、お墓の手前の石積みを補強しています。隙間をひとつずつ丁寧に、手作業で埋めていきます。

 

お墓の後方も同様に補強しました。また、お墓の一番下の台座は底面がボコボコしていたので、まっすぐになるように現地で加工しました。墓地の立地からもこの大きな石を工場へ運んで加工するとなると、費用面がかさんでしまいます。そのため、こうした現場では可能なら現地で加工することもたびたびあります。このあと巻き石の設置、お墓の据え直しと進みます。

 

巻き石を据え、洗浄が終わったお墓の据え直しも進んでいます。納骨室の中にご遺骨を再び納めています。

 

工事完了です!

巻き石の周りはこのようにコンクリートを打ちました。とてもすっきりして、歩きやすくなりました。

 

現地でクリーニングして、据え直したお墓です。昭和52年に建立されたお墓ですが、とてもきれいになっています。彫刻の色は白色を入れてよりすっきりしました。花立は穴あけ加工をして、ステンレスの花筒が落とし込めるようになっています。左手にはご希望いただいた霊記を、そのお隣には水子様のお墓も設置しました。

 

お墓の後ろには塔婆立ても新しく設置、石積みと巻き石の間はこのくらい間をあけて、水が逃げるようにしています。大雨が降っても、斜面から流れてきた水が巻き石の中に入ることがありません。雨が降るたびにお墓のことを心配されることもなくなりますね^^
 

現地で完成したお墓をご覧になったお客様には、安心してお参りできますと喜んでいただけました。お店のある御浜町や、今回お世話になった紀宝町には、同じように傾斜地の墓地がたくさんあります。眺めがよく気持ちの良い場所ではあるのですが、最近は同じような墓地で、水が流れ込んできて困っているというご相談もたびたびいただくようになりました。近年はゲリラ豪雨のような強い雨が降ることも多くなりましたので、その影響も大きいと思います。そうした自然環境の変化から、お墓の建立やリフォームなどの際、掃除がしやすくお参りがしやすいお墓にすることはもちろん、「水の流れ」を気にかけて工事を行わないと後々大変な状況になってしまう恐れもあります。そうならないためにも、墓地をよく見てその土地の置かれた状況や状態を見極めて、水が逃げる場所を確保するという水対策は、お掃除のしやすさなど日頃の使いやすさと変わらないくらいとても重要だと考えています。お墓の水対策でご不安な方は、どうぞお気軽にご相談ください。