クレーン等の入れない場所でのお墓じまい工事。大きな石は小割りして搬出、安全に運搬。熊野市育生町の寺院様墓地にて

こんにちは! 三重県・和歌山県南部にてお墓のお仕事をさせていただいております、湊(みなと)石材店の湊です。熊野市育生町の寺院様墓地にて、クレーン等の入れない場所でのお墓じまいをさせていただきましたので、ご紹介します。

 

【お墓じまい 熊野市育生町寺院墓地】

 

知人の方からのご紹介で、お墓じまいのご相談をいただきました。お墓は熊野市育生町の寺院様の墓地にあり、お住まいは和歌山県新宮市で、奥様のご実家のお墓のお墓じまいを検討されていました。仏様はお寺様にある永代供養へ移されるということでした。お墓の場所を伺って、まずは現地の確認です。

 

こちらがご相談のお墓です。中央に大きなお墓と墓誌があり、お地蔵様もおられます。

 

後ろには、4基の古いご先祖様のお墓がありました。草も生えていませんし、きれいにお参りされているなあという印象のお墓でした。お墓を確認後、お見積もりを差し上げてご依頼いただけることになりました。まずはご遺骨の取り出しをさせていただいて、工事開始です!

 

手前の大きなお墓から取り外していきます。お墓に使用されている棹石や台座の石などはとても大きく、重量もかなりのものですので、通常であればクレーン車などの機械を入れて吊り上げて解体、運搬車に乗せて搬出していきます。ただ、今回の墓地はひな壇のような形で造成されていて、お墓前の通路は狭く、小型のクレーンや運搬機も入ることができない場所でした。そこで、大きな石は取り外してから小割りにして運んでいくことになりました。

 

お墓解体動画① ※※※大きな音が出ますのでご注意ください※※※

小割りする際は、「セリ矢」という道具を石に打ち込んで、それをハンマーで叩いて割ります。動画①では、そのための穴をドリルで開けています。

お墓解体動画② ※※※大きな音が出ますのでご注意ください※※※

 

印のあるのがセリ矢です。ドリルで開けた穴にこのセリ矢を打ち込んでハンマーで叩いていくと、石にひびが入って割れます。(動画②)大きな石はこれを何回か行って、人力で運べる大きさまで小割りにします。一般の方にはなかなか見る機会のない場面ですよね! 今回の石はとても大きかったので、最終的には4分割してから運びました。

 

大きな石を取り外して小割りし、あとは納骨桝を残すのみとなりました。最後はこれも取り除き、更地に戻します。

 

大きなお墓はすべて取り外し、小割りにしました。あとは担げる大きさでしたので、このまま運び出します。ヒモでしばって固定して、太い天秤棒を使い、二人がかりで担いで運びます。

 

運搬のようす ※※※大きな音が出ますのでご注意ください※※※

お墓前の狭い通路を行くと階段があり、そこからは運搬車に積み込んで上がっていきます。運搬車にしっかりとヒモで固定したら、バランスを取りながら慎重に階段を上がっていきます。

 

お墓の取り外しと、納骨室の解体が終わりました。納骨室を取り外した場所は窪地になっているので、用意していたシブ土(真砂土)を入れて埋め、平らにならします。

 

その後、防草シートを敷いて完成です。お墓じまいが終わった墓地は土がそのままの状態なので、放っておくと草が生えてきて周りのお墓にご迷惑になるかもしれません。こうしておけばしばらくこの場所を使うことがなくても安心です。

作業中・作業完了後の様子を収めた写真をお客様にお送りして、完成のご報告をさせていただきました。直接お話してはいませんが、きちんと防草シートも敷いて仕上げていますので、安心していただけたのではないかと思います。

今回は、クレーンや運搬車が入れない場所でのお墓じまい工事でした。こうした場所での工事の際は、周りのお墓にぶつかって傷つけたりしないよう、作業をする職人もケガなく無事に作業を終えられるよう、とにかく安全第一で作業を行っています。今回も十分に安全に気を配って作業して、無事に終えることができました。難所にある墓地にお墓をお持ちの方は、「こんな場所でお墓じまい工事ができるの?」と思われるかもしれませんが、ノウハウさえあれば今回のように安全に工事を行うことができますので、お墓じまいをご検討の方はどうぞお気軽にご相談ください^^


「お墓じまい」については、こちらをごらんください>>

「お墓じまい・解体撤去」